熱処理をさらに進化させる研究は、金属製品の役割を十分に知ることから始まります。そして将来のニーズを見据えながら、製品の性能を最大限に引き出す材料は何か、それを実現するプロセスはどのようなものか、そのための装置の仕様はどういったものか、実用化された後の生産効率をいかに上げるかなど、技術開発部門のスタッフは日々あらゆるテーマに答えを求めながら、真に価値ある技術の開発に取り組んでいます。
川崎事業所内にある技術センターが技術開発部門にあたります。技術センターは研究開発グループと技術管理グループ に分かれていますが、日々の業務は協力しながら行っています。
- 現状の改善と改良
- 新製品開発
- 試験分析解析
- 知財管理
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FE-SEM
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X線回折装置
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マイクロスコープ
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レーザー顕微鏡
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ビッカース硬さ試験機
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そのほかに
- ロックウェル硬さ試験機
- 摩擦摩耗試験機
- 触針式粗さ測定機
- 回転曲げ疲労試験機
- 蛍光X線分析装置
- 原子吸光分析装置
- 切断機、自動研磨装置
写真掲載の装置以外にも、他にも大型塩浴炉×2基、小型塩浴炉5基などがあります。
鋼材の分析は事業所内で可能です。熱処理炉もひととおり取り揃えていますので、充実した研究開発環境に
なっています。
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社内の中期計画によりテーマを選出
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部門長が担当者を決める
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担当者は上司と相談しながら計画を立て進行する
社員にやってみたい課題や研究テーマがある場合、部門長の承認を得たうえで新規研究テーマとして立ち上げる場合もあります。
既存製品を応用した研究開発の場合
(塩浴軟窒化法)とは?
自動車の部品に使われている処理。
処理例:クランクシャフト、フライホール、カムシャフト、ピニオンシャフト
- ニーズの調査
- 耐摩擦摩耗性や溶損耐性などの、必要な特性を満たしているか試験
- 実際に処理品をお客様に使用していただく
改善をして再トライ
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先輩の研究テーマについて調査や実験を実施します。
研究開発の目的を理解し、資料の作成手法や実験装置の扱いや解析手法など学びます。 -
指導役の先輩にサポートしてもらい、研究テーマを担当します。1年目で学んだことを活かしながら研究計画や実験計画立案法、そして結果のまとめ方、進捗報告の仕方を学びます。
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主担当(一人で遂行)テーマを与えられ、計画立案から実験・解析、報告研究報告書作成など責任ある業務を遂行します。
2016年4月1日〜2017年3月31日には以下のテーマで研究が行われました。研究活動により、他社との差別化を図っています。特許の申請も積極的に行っています。
- 高精度雰囲気制御ガス窒化技術開発
- 制御ガス窒化の応用開発
- 高機能DLC成膜技術の開発
- 次世代真空浸炭/窒化技術の開発
- 廃液処理方法の確立
- ガス浸炭基盤技術の取得
- SRV試験機による表面改質層の特性評価法の確立
- イソナイトLSの金型への適用開発
- イソナイトLSの更なる品質改善と生産性向上
- イソナイトLS処理における窒化組織制御方法の開発
- 窒化(浸窒)焼入技術の開発
- 防止剤の更なる競争力強化
- ソルトリサイクル技術の拡大(A)
- ソルトリサイクル技術の拡大(B)
- プラズマを利用した新浸炭の研究
技術研究所での1年間の研究成果をお客様・関係会社の方々に発表する「成果報告会」があります。皆、自分の研究を胸を張って報告します。